所沢メンネルコールの歴史

今や所沢の市民合唱団のように親しまれている男声合唱団の誕生とその後の活動を紹介します。


旗揚げ

「所沢にいい音楽ホールが欲しい!」そんな市民の願いが「所沢で第九を!」に結集。1983年12月、旧市民会館特設ステージで第1回「所沢で第九を!」が開催された。その4年後第4回の打ち上げで急遽「第九の練習のない半年間、集まって歌おうよ!」と衆議一致、翌1987年1月28名の男性が集まり適当にワイワイと歌い始めたのがトコメン(所沢メンネルコール)の始まりです。


三つの夢

練習後の居酒屋「竹亭」でのひとときは格別だ。結成間もないというのに夢は大きかった。「コンクールで全国大会へ行こうよ!」「委嘱作品もやってみよう!」「海外へ演奏旅行にも行こう!」誰ともなくこんな夢を肴に盛り上がりました。



全国大会へ

1990年ホルストの難曲でコンクール挑戦。トコメンの変身に審査員は驚いた。荒削りだが新鮮な合唱で県、関東と勝ち進み、札幌の全国大会(第43回)にまで行ってしまった。早くも夢の一つをとりあえず果たしてしまった。しかし、いまだ「それはフロックでなかった」と証明できずにいる。


アークホール

1994年、大願成就。わが街に待望久しい立派な市民文化センター「ミューズ」が誕生した。トコメンは第8回演奏会でそのこけら落としの一端を担った。この頃、団員はいつの間にか50名を超えていた。


吾木香

1996年、第10回の記念演奏会は準備を重ねて作曲委嘱作品「笙と男声合唱のための 悲歌 吾木香」に取り組んだ。所沢が生んだ歌人三ケ島葭子の短歌に、作曲家久留智之先生に曲をつけていただいた。かくして夢の二つめがここに実現した。笙は世界的な笙演奏家である石川高先生に演奏していただくという貴重な経験であった。


海外演奏旅行

 トコメン「三つの夢」のうち、まだ達成されていなかった「海外演奏旅行」が2004年遂に実現した。所沢市と姉妹都市である韓国・安養市を訪問、安養市立合唱団と安養市立少年少女合唱団の賛助出演を得て、交歓合唱演奏会が10月16日坪村アートホールで行われた。坪村アートホールは、9月22日に落成したばかりのホールで、こけら落とし的なイベントとなった。
 トコメンは「月光とピエロ」「故郷を思う」「グノー第2ミサ」の3ステージ、賛助出演の安養市立の2合唱団が各1ステージを受け持った。特に「故郷を思う」のステージで歌った、韓国の人なら誰でも知っているという「郷愁(ヒャンス)」の演奏は、5番までの歌詞を韓国語でしかも暗譜で歌ったことも相俟って、韓国聴衆のスタンディングオベーションを受ける程の絶賛を浴びた。
 初めての「海外演奏旅行」でありながら、姉妹都市文化交流の親善使節役を無事に成功裡に果たし、大変な感動と満足のいく体験であった。